ユングに学ぶ意識と無意識と神話の世界 

心理学講座

こんにちはmarupoです

 

人は笑ったり怒ったり考えたりという、それぞれがもっている「感情」があります。そしてその感情や思いがつくられているのが、その人の「」=「」です。

 

これを「意識」といい、これは「自分の思いや感情」という心の内側が表面に現れている、自分が普段から見えている部分をいいます。

 

また心には自分の知らない感情や見えない思いが心の奥にしまわれており、自分では気づくことができない心の部分があります。それを「無意識」といいます。

 

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自分では見えない心の奥を探ってみる

 

さらにその無意識の中は、「個人的無意識」と「普遍的無意識」の二つの世界にわかれます。またこれらを集合的無意識といいます。

 

まず「個人的無意識」は、不快な思い出や感情などをその人の意識から消し(回避や抑圧などの防衛)その感情を閉じ込めている場所と考えられています。

 

そして「普遍的無意識」は、全人類の共通の知恵や歴史が詰まっていると考えられており、それは誰の心にもある人類全体がもっている共通の心と言われています。

 

それを提唱したのが心理学者のカール・グスタフ・ユングです。

 

ユングは患者の治療を続ける中で、神話のイメージと患者の妄想にある共通点をみつけました。



その共通したイメージは人間の普遍的無意識の中に存在しており、誰もが生まれつきそのように感じるものであるということにユングは気づいたのです。

 

それは、それぞれの民族社会の中で受け継がれている神話や、そこに住む人々が昔から伝えられている宗教や信仰の対象(信じているものなど)からくるもので、それが人々の心の中でずっと受け継がれていると考え、なんとユングは無意識の世界と神話をつないだのです。

 

そしてそのように誰もが生まれつき感じるものを「元型(アーキタイプ)」と名付けました。

 

元型とは…人が見る「夢」のイメージや象徴を生み出す源となる存在のこと。

 

これは人間の身体が先祖から受け継がれてきた遺伝子で構成されるように、心の中にもそのような要素があるとユングはいいます。

 

その源となる存在は国や地域、民族社会などに昔から繰り返しある神話や伝説など、古代から伝えられてきたものからできた作用像やイメージです。

 

代表的な型に、グレートマザー(母親元型)・オールドワイズマン(父親元型・老賢者)・シャドウ・アニマ、アニムス・ペルソナなどがあり、ほかにもいろんな種類があります。

 

そしてこの元型を生み出す元が「集合的無意識」という概念です。

 

このように、ユングは自らの心理学を「意識の科学であり、無意識の心によって生み出されるものに関する科学」と言い、独自の理論を分析心理学(日本ではユング心理学とも呼ばれる)としてこの世に打ち立てています。

 

 

またユングは無意識の中には、意識とは違う対照的なもう一人の自分が隠れていると考えたのです。

 

 



無意識の中の隠れた自分

 

 

人には好みや嫌いなものがあります。

 

ただ、いつも自分が思っているような感情はあくまでも表面的な気持ちで、見えない心の奥に隠れている本当の自分はもしかしたら違うかもしれません。

 

たとえば、A君は学校での勉強が嫌で成績も悪く「勉強が嫌い」で、それがいつもコンプレックスでもあります。

 

しかしある日、遊びに行った海できれいな貝殻をひろい、それがきっかけでいろんな貝殻を毎日集めていきました。

 

するとA君はそのいろんな貝殻についてもっと知りたいと思い、調べたり研究したりして、学ぶことがとても楽しくなったのです。

 

そしてA君はあんなに勉強することが嫌いだったのに、たまたま自分の興味が惹かれるものと出会い、そしてそれを学ぶことで「もしかしたらぼく、勉強好きかもしれない」という、勉強が好きな自分を発見したのです。

 

同時に自分がいつも抱えていた挫折のコンプレックスは、知らなかった自分を発見することで逆にA君に自信ができ成長へと進めてくれたのです。

 

このように、勉強が嫌いな自分(意識)は悩みでしたが、勉強が好きな自分(これまで無意識だった部分)を見つけることで悩みから解放され、A君の心に自信がつきました。

 

これを心理学で「顕在化」といい、今まで無意識の中で見えなかったものが表面化したことをいいます。

 

なので心の中の無意識の世界には、誰でもどんなことが眠っているかわからないのです。

 

このように人間の成長過程では、意識や無意識の相互的な働きかけを通じて営まれています。

 

またこれを個性化の過程といい、人間の未分化な無意識を発達させるプロセスのことをいいます。



まとめ

 

ユングは、私たち人間が「自分」というものを認識できるのは、集合的無意識が存在しているためとしています。

 

その集合的(普遍的)(個人的)無意識があるからこそ、人は他人と対話し理解しあえるだけでなく、自分も自分自身と対話し、理解し合っているのです。

 

たしかに、無意識や普遍的に共有できるものがなければ、人は自分の価値を見出すことができないかもしれません。

 

そして無意識の中には、意識とは違う対照的なもう一人の自分が隠れています。

 

いつも自分が思っているような感情は、あくまでも表面的な気持ちというその人の「思い込み」であって、見えない心の奥に隠れているのが実は「本当の自分」かもしれません。



このように、人間の心には「自分の知らない自分」や「他人のように独立した存在としての自分」がいるとユングは考えます。

 

なのでいつも自分が思っている「これが私」だと信じている気持ちは、意識の上でのことであって、心の奥の無意識の自分は、もしかすると自分でも考えられないような才能を秘めているかもしれませんね。

 

お読みくださりありがとうございました。以上marupoでした

お読みくださりありがとうございました

この記事を書いた人

 

はじめましてmarupoです今年50歳です

24歳で結婚しその後二人の子宝に恵まれたが、その育児の真っ最中に「うつ病」を患い同時に体も動かすことができなくなり入院。 そんな自分をどうしても受け入れられずに苦しんでいたが、その病院の本棚で「心理学の本」と出逢い、そこから心理学の学びがはじまる。 この学びを活かして、これまで20年ほどカウンセラーとして対面や電話などでいろんな方の悩みや相談に対応し、自らサロンを開いて数年間講座などもしていた経験をもつ。

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