境界性パーソナリティー障害の人間関係と恋愛

パーソナリティ障害

こんにちはmarupoです

 

境界性パーソナリティー障害(境界性人格障害)とは、感情が不安定で、気分の移り変わりが激しいことが特徴です。

 

その症状は不安・怒り・焦り・抑うつなどが見られ、人に対する態度や行動が驚くほど急転します。

 

また慢性的な空虚感があり、衝動的に浪費をしたり、孤独に耐えきれないといった性質をもっています。

 

その孤独感には「自分は見捨てられるのではないか」という不安が常につきまとっていて、そのため誰かを引きつけておこうという気持ちから、ときには自傷行為などに走ることもあります。

 

そのような行動をするのは、そうすることで他人の関心を引こうとするためです。そして周囲を巻き込んで振り回します。

 

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人間関係の問題を引き起こしてしまうパーソナリティ障害とは

 

そんな境界性パーソナリティー障害は、その人のもともとの性格的な問題が原因ではなく、遺伝的な要因からくるもの、またもっとも重要視されているのが家庭内環境におけるさまざまな原因によるものと考えられています。



また近年では、そのような境界性パーソナリティー障害をもつ人が増えているのです。

 

その原因の背景にはどんなものがあるのか見ていきましょう。

 

家庭環境からくる原因とは

 

境界性パーソナリティー障害の人は「自分が見捨てられるのではないか」という見捨てられ不安を強く抱いています。

 

また、物事を「好きか嫌いか」「敵か味方か」など、白か黒かという極端な考え方をしがちなため、なかなか心の平常心を保つことができません。

 

この行動の背景には、遺伝的な問題、そして幼児期における親子関係や機能不全な家庭内で育った環境、またその人のトラウマになるような経験などからくる場合があるとされています。

 

家庭内環境における原因は以下のようなものがあります。

 

親の離婚が増えている親の愛情の希薄化

親が精神的に病んでいる幼児虐待

子どもに愛情をかけずモノを与えてすませる子育ての希薄化

子どもに親の理想や要望を押し付ける親の期待に押しつぶされる

子どもに無関心、親自身がまだ楽しみたい子どもが邪魔者

核家族化・地域の解体子どもの逃げ場がなくなった

ゲームやネットなど子どものひとり遊びが増えた人間関係を築く機会の減少

境界性パーソナリティー障害を引きおこす原因としては、このような家庭内環境で育ってしまったという傾向がみられ、その症状は成人期または思春期に生じることが多く、若い女性に多いのが特徴です。

 

そのような障害をもってしまうと、その激しい感情の変化から人間関係や恋愛行動にもその影響がでてしまい、他人や周囲を巻き込んでいきます。

 

そして、大事な人から見捨てられることを極端に恐れているため、相手からの感情や愛情を試すのです。

 

境界性パーソナリティー障害の恋愛人間関係

 

この境界性パーソナリティー障害をもつ人の恋愛傾向は、極端で激しい行動が特徴です。

 

それは、大事な人に見捨てられるのではないかという「見捨てられ不安」からくるもので、ときにはその不安から自己破壊行動を起こすこともあります。

 

また、恋人が少しでも不機嫌な表情や苛立った口調で話したりすると、「もう自分は必要とされていないのではないか」などという極端な考えをもち、強い不安を抱いてしまいます。

 

どんなに相手が特別な理由などない場合でも、それをすべて悪い意味で受け取ってしまうのです。

 

そのため相手の気持ちを確かめ振り向かせようとし、いきなり感情を爆発させて怒ったり、目の前でリストカットをしたり、自殺行為などをしてみたりするのです。

 

そんな境界性パーソナリティー障害の疑いのある人とはどんな人でしょうか。ここで見てみましょう。

 

【境界性パーソナリティー障害の傾向がある人】

 

①常に見捨てられ感があり、人の気持ちをつなぎとめようとする

②相手を「いい人」など理想化するかと思えば、逆に責めてしまうなど対人関係が不安定である

③アイデンティティ「自己同一性」が混乱している

④衝動的に自傷行為を繰り返す

⑤過食や自殺未遂などを繰り返す

⑥極めて情緒不安定である

⑦常に空虚感がある

⑧怒りをコントロールできない

⑨ストレスから普段の自分とは違った心理や意識状態(解離性症状)が現れることがある

 

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自分のしていることが自分でしているように思えない「離人症」



以上の項目のうち、5つ以上当てはまる場合は「境界性パーソナリティー障害」の疑いがあります。

 

またこれはその人の性格的な問題が原因ではないため、その本人も周囲も理解しておかなければ振り回されてしまいます。

 

相手がちょっとでも不機嫌な態度などを見せると、必死でご機嫌をとったり、極端に相手を責めたりするようなことも特徴のひとつです。

 

このような障害をもつ人は、恋愛関係だけでなく自分の大事な人と思う相手や人間関係に対しても衝動的な行動をとってしまい、自らを嫌われる方へと向けるのです。

 

なのでどうしても周囲は離れてしまいがちになるため理解が必要です。

 



 

また、このような境界性パーソナリティー障害の人は、大事な人に対して「強い見捨てられ不安」があるにもかかわらず、そうやって嫌われる行動をとるのは、相手の気持ちを確かめるためでもあるのです。

 

それは「見捨てられるかもしれない」という思いの裏側に「こんな自分でも愛してくれるのか」という気持ちがあるためです。

 

なのでこのような行為は、自分はその人に強い愛情を求めながら、孤独感をますます深めていくようなものです。

 

そうやって、相手を試したり自分に対する愛情を確認するために行われる激しい行動をとったり、突然人が変わったようになってしまうのが、境界性パーソナリティーという障害です。

 

まとめ

 

 

もし、自分の大切な人や周囲にこのような障害のある人がいたら、そのことについての理解が必要です。

 

なぜならそのような人が衝動的な行動や言動をしてしまうのは、境界性パーソナリティーという障害が引き起こしているためです。

 

まずは、感情的になっている相手に対して、自分も同じように感情的に返したり否定的な態度をとらず、何事も冷静にきちんと伝えることが大事です。

 

そして「あなたのことを大切に思っている」ということをしっかりと伝えます。

 

また感情的になって無茶な要求をしてくる場合もあり、そのときに一時的にその場を収めようとして、その無理な要求に全て応えようとすることも良くありません。

 

なのでそこは冷静に「これはいいけど、それは無理だよ」と説明することが大切です。

 

また幼児期の親子関係の不全やトラウマから発症する場合が多いため、うつ病や摂食障害などを併発しているケースもあります。

 

そのため専門家などに相談しながら適切に対処していくことも必要です。

 

境界性パーソナリティー障害は改善することができる病気(精神疾患)です。

 

まずは周囲や家族がその障害を理解し、悪化させたり逆上させないような配慮が大切となるでしょう。

 

 

お読みくださりありがとうございました以上marupoでした

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お読みくださりありがとうございました

この記事を書いた人

 

はじめましてmarupoです今年50歳です

24歳で結婚しその後二人の子宝に恵まれたが、その育児の真っ最中に「うつ病」を患い同時に体も動かすことができなくなり入院。 そんな自分をどうしても受け入れられずに苦しんでいたが、その病院の本棚で「心理学の本」と出逢い、そこから心理学の学びがはじまる。 この学びを活かして、これまで20年ほどカウンセラーとして対面や電話などでいろんな方の悩みや相談に対応し、自らサロンを開いて数年間講座などもしていた経験をもつ。

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