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脚本分析
禁止令
こんにちはmarupoです
前回の交流分析の「ゲーム分析」では自分の癖についてお話ししました。
その人が気づかないうちに出してしまっている「癖」は、身体だけでなく、心で思う「思い方の癖」も同じです。
その思い方の癖は、その人が3歳~7歳くらいのころに、親との生活の中で自分が感じた「思い込み」や「捉え方」として身についていきます。
その「癖」は自分で気づかないうちに、いつの間にか大人になってあらゆる人間関係でトラブルを引き起こしたり、またネガティブな感情から抜け出せずに苦しむこともあります。
ただ、「癖」というのはあくまでも所詮「癖」なのです。
なので自分でどうにか治すこともできるのです。しかし、「癖」というのは習慣でもあります。本人が何も考えずに生活をしていたら、またその「癖」に支配された生活になってしまうのです。
子どものときにすでに書いている「私の人生脚本」
交流分析では自分の人生をドラマの脚本とみなしています。そしてその主人公はあなた自身なのです。これを「人生脚本」といいます。
ドラマの大きな流れは子ども時代に作られる。親と過ごした環境で培われたあなたの態度や決断があらすじとなる。 ↓↓↓↓ そしてその後の様々な人生経験が肉付けされ、元のあらすじをドラマチックなものに強化固定化していく。 |
禁止令
子どものころ、親と過ごした環境の中で、日頃から安心できない、または落ち着かない気持ちになった経験があるのであれば、それは一方的な親からのメッセージ「禁止令」なのです。
●禁止令を出されて子どもの自分が感じていた気持ち● 「嫌だな」 「違うな」 「合わないな」 「不満だな」 「傷ついたな」 「居心地悪いな」 |
その禁止令は親の立場からのものではなく、あくまでその子どもの立場で感じているメッセージです。
そんな禁止令を自分で発見するには…まず、現在大人である自分の理屈や解釈は置いておき、当時の純粋な子どもの立場から、そのときの感情を思い出す必要があります。
禁止令は親からの大きく傷つくような言動でなくても、親と子供の価値観の違いからであることの方が多いのです。
※親の言葉そのものや親の意図より、子どもの頃の自分がその言葉をどう受け取ったかということが重要です。
例えばもし、子どものころの両親が不仲であったり、愛が冷めていたり、借金に苦しんでいたという幼少期だったとします。
そうすると、生活苦で本当に大変な状況で、親はその苦しみから我が子に対して「子どもさえいなかったら…」という気持ちになってしまうでしょう。
子どもは親から直接ひどい言葉をたとえ受けなかったとしても、その親の姿や言動を見て、感じることがあると思います。
●子どものころ、何か親の言動で不快感を覚え、それをどう捉えてしまったか● ①自分は存在してはならない ②男(女)であってはならない ③子どもであってはならない ④成長してはいけない ⑤成功してはいけない ⑥実行してはいけない ⑦重要な人物になってはいけない ⑧みんなの仲間入りをしてはいけない ⑨愛し合ってはいけない(信用してはいけない) ⑩健康であってはいけない ⑪自然な感情を出してはいけない |
●禁止令とは = 「自然な感情表現をするな」●
いろんなパターンはありますが、もし、自分の親がしつけが厳しい人だったり、過保護でいろんなことに口を出してきて注意するような人であったなら、そのような家庭環境も禁止令を発生させやすいということになります。
例えば「あの子とは遊んではいけません」「ケガするからやめなさい」など、子どもの自分がやっていることや楽しんでいることに対して親に行動を規制するようなことを言われてしまうたび、「自分はもう何もしない方がいいんだ…」という禁止令を心の中で作ってしまいます。
その結果、その子どもは大人になっても積極性に欠けてしまい、人の意見に従ってばかりになる傾向が強いでしょう。
また、自分は男の子なのに「本当は女の子が欲しかった」と親に言われてしまったとか、姑が嫁(自分の親)に対して「跡取りの息子がなぜできないんだ」など言われているのを目撃してしまったりすると「自分は男(女)ではいけないんだ」と思いこみ、自分の中で禁止令となります。
この場合は、異性の友人が多く同性の友人が少なかったり、また同性だけの集団が苦手になる可能性があります。そして自分に自信が持てなくなり、周りの評価や常識などの世間体に流されやすくなるでしょう。

なんで僕は男の子ではいけないんだろう…
また、自分が転んで怪我をして泣いている姿を見た親が「我慢しなさい!」や「そのくらいで泣いてどうすんの!」など自分の感情を抑え付けられるようなことをいわれてしまうと、それは大人になっても素直に感情や欲求を言えなくなってしまいます。
この場合は、自分の感情を抑え込むのが癖になり、物事に対して無関心であったり、無感情になりがちです。

我慢…
子どもの自分がテストで良い点数をとってきても「あたりまえだ」と親に言われ、悪い点をとってくると、「おまえはダメな奴だ」など怒られたりなじられたり、また失敗したときだけ「今度頑張ればいいよ」など慰められるような経験があると、それは「成功してはいけない」と思い込んでしまう禁止令です。
親が子供の成功に関心を示さず、失敗したときだけ口を出したり手をかけると、その子どもは「成功してはいけない、自分は成功できない人間なんだ」と思い込んでしまいます。何度も同じ失敗を繰り返したり、仕事で企業を立ち上げても何度も倒産してしまうようなパターンがある場合は、この禁止令に支配されています。
もっともつらい禁止令は、幼いころに虐待を受けたり、また親から「お前さえいなければ良かったのに」や「お前なんて産まなければよかった」など、ひどい仕打ちや言動をされてきた人は「自分は存在してはいけない人間なんだ」と思い込みます。
それに「自分は生きてはいけない存在」という思い込みを持ってしまうと、自分の体や命を大切にすることができなくなってしまいます。そうなると、薬物やアルコールなどに依存してしまい、自分で自分を傷つけるようになってしまうのです。

自分なんてこの世に生まれてはいけなかったんだ…
●禁止令とは●
本当は存在するはずの自分の感情を、なにかしらの親の言動や環境から封印し、そのうちそれをあたりまえとし、自分が封印していることにも気づかないようになってしまう。その代わりに歪んだ情動で自分の周りの人間関係に接してしまうのです。
それは相手を攻撃したり、理屈で裁くことで、自分の本当の気持ちを見ないようにしたり、感じないようにしているのです。
禁止令を加速させる「ドライバー」
親から「○○しなさい」と言われたメッセージ…これを「ドライバー」と言い、これは禁止令を加速させる言葉です。
「○○してはいけない」という親からの直接的なNOの禁止令から「○○しなさい」や「○○しなければならない」という、自分のなかで「そうしないといけない」と思い込んでしまう感情が、ドライバーです。自分の思い込みはその親の言動メッセージからはじまり、ドライバー感情へと進化させたものです。
【例】親からの禁止令で自分がどうドライバー感情へと進化させたか
・完璧にしなければならない
・早くしなければ(急がなければ)ならない
・もっと努力しなければならない
・他人を喜ばせなければならない
・強くあらねばならない
・一生懸命やらなければならない

自分のことを認めてもらうためには…
幼いころ、自分には親しかいない環境そして親がすべてであったころに、素直にそれを受け止めてしまうしかありません。
そんな時に自分の感情は許されず、禁止令を出され、感情を歪めてしまうことになり、そしてそれが原因で大人になっても苦しむ人は多いでしょう。
けれど、人間は生きている限り、成長していくものです。
もし、今が生きづらいのであるならば、この禁止令を思い出し、自分の人生を変えていく必要があります。
ということで、次回は人生逆転、人生の脚本を書き換えていきます。
自分の人生の主役は「自分」です。なので今回は人生の脚本を変える前に、一度子どもの頃の禁止令に迫ってみました。
次回はそんな思い込みや支配から解放され、新しい自分として生きていく「人生脚本」を作っていきましょう。
お読みくださりありがとうございました以上marupoでした