現実逃避にのめり込んでいく依存症の恐怖

心理学講座

こんにちはmarupoです

 

依存症とは、自分の欲求をコントロールできなくなる病気です。

 

それは、心をある特定の何かに奪われてしまっている状態で、それにのめり込み、次第にやめたくてもやめられなくなり、いつのまにか自分の意志ではどうにもできずにどんどん追い込まれていきます。

 

けれど、その何かに心を奪われている間は、その人は今の現実から逃避している状態で、それをしているときだけはその人の心の空洞が埋められているのです。

 

その空洞とは、心にぽっかりとできた穴のようなもので、人はその空洞を何かで埋めようとするのです。

 

言い換えると、その心の空洞とは「心の傷」で、その抱えている傷(つらさや苦しみなど)から逃れるためにはまってしまう行為は「無意識にその傷を自分で癒して治療しよう」とする行為です。

 

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なので、その心の傷が重症であればあるほど、その行為もやめられなくなります。

 

しかしそれは、次第にその人の刺激や快楽となり、気づくと心が強く求めているのです。

 

そしてそれが自分の意志ではもうやめられなくなってしまう状態になってしまうと「依存症」となります。

 

そのように、依存症とはもう自分では自身をコントロールできない状態「コントロール喪失」に陥ってしまい、自分の意志や気持ちで解決しようとしてもうまくいきません。

 

何度もその行為をやめようと決心しても、条件がそろえばまたやってしまうのです。

 

自分で追い込まれていくのがわかっていてもそれを繰り返してしまい、また家族が言ったり何かをしたらやめられるというものでもないのです。

 

そんな「依存症」とは、欲求をコントロールできなくなる脳の病気(精神疾患)です。

 

けれど依存症とは、どこで誰が発症してしまうかはわからない病気です。なので自分のため、また大切な家族を守るためにも、依存症を理解していきましょう。

 

人は誰しも、不安や緊張を和らげたり嫌なことを忘れたいことがあると思います。

 

そんなとき、気分を変えてくれるものや高揚感を与えてくれることに人の心は誘われます。

 

依存とは英語でアディクションといい、また嗜癖(しへき)とも呼ばれます。

 

これをもっと分かりやすく言うと「のめり込む」「はまる」という状態です。

 

そのように人がはまってしまう依存症には「物質嗜癖」「プロセス嗜癖」「人間関係嗜癖」と、大きく3つの分類にわけられます。



【物質嗜癖】

物質を摂取することに依存すること

 

・ニコチン依存症

・アルコール依存症

・過食症など食べ物への依存症

・薬物依存症

 

 

このような状態に陥るまでには、その人の性格的問題や環境などの相互作用があります。

 

とくに薬物依存になってしまう人などは、情緒不安定だったり、非社会的であったり、依存的で意志薄弱などの傾向があり、そのような個人の性格的傾向と環境によって左右され依存する薬物が決まってきます。

 

環境要因的な視点からみると、家庭環境や育った環境などで問題を抱えていることが多く見られる場合があります。

 

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また、アルコール依存症とは、アルコールが他の何よりも優先されるようなアルコール摂取への強い強迫的な欲求が特徴です。

 

これは自分でも自己制御できないという自覚がありますが、問題なのは断酒すると表われてくる離脱症状です。

 

離脱症状になると、脱力感や不安に襲われたり、また不眠症になり眠れなくなったり、痙攣をおこしたりします。

 

これは薬物依存や過食症などもこの状態に当てはまり、このような依存にのめり込むと、それが切れた時に手が震えだすなどの禁断症状がおこります。

 

この場合は、もう自己コントロールができない状態ですので、専門家や周囲の力を借りて治療する必要があります。

 



【プロセス嗜癖】

仕事やギャンブルなど、特定の行為に依存すること

 

・ギャンブル依存症

・買い物依存症 

・インターネット依存症

・万引きや盗癖

・自傷行為リストカット

・仕事依存症など

 

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プロセス嗜癖とは、人に高揚感を与えます。そしてそれにのめり込んでしまうことです。

 

とくにギャンブル依存症は、それを行った際に「今日は負けた」や「当たった!」「勝った」などが繰り返される行為です。

 

そしてなかなか当てることができなくても、たまに「当たった」という見返りがくることで報酬というごほうびが発生します。

 

そのときどきしか報酬がないほうが刺激的で熱中しやすくなったり、「次は勝てる」などと期待することで後に引けなくなってしまいます。



また、毎日のめり込んでいくと、ずっとは勝てずお金を使い込んでいきます。ひどくなると生活費まで使い込んだり、人にお金を借りたり、サラ金などで借金を重ねてまでもしてしまうのです。

 

また、そんなハラハラドキドキという興奮した状態で熱中し続け、たまに勝つと報酬が発生することでその人は安心感がうまれます。

 

このようにある行動に対して、毎回ではなくときどき報酬を与えることを部分強化といい、この状態を繰り返すと依存度はさらに高くなっていきます

 

これはギャンブルだけではなく、買い物やインターネットの課金ゲームなどがやめられなくなるのと同じ心理状態です。

 

このような依存から抜け出すためには、まずこれは「病気」だと認識することが必要です。

また、この場合も自力で誘惑を断ち切ることが難しいため、周囲や専門家の協力が必要となってきます。

 

そしてこれは時間や暇がある人ほどはまりやすい傾向がみられるため、そのような人は、なるべくいろんなことをしたり予定などを密に入れましょう。


【人間関係嗜癖】

親子、恋人、夫婦、友人など限られた人間関係に依存すること

 

・共依存症

・恋愛依存症など

 

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共依存症者は、関係の深い特定の「依存者」に対して、自分を犠牲にしてまで過度に世話をしたり、相手の行動をコントロールすることに力を注ぎます。

 

また、様々な「犠牲・忍耐・苦痛・不自由」を感じているのに、そうしてまでも相手のお世話をすることに喜びを感じています。

 

それは誰かに必要とされたり、支え続ける環境が自分の存在意義の証明だからです。

 

そのように特定の人に依存しなければ、共依存者は生きていけなくなるのです。

 

これが高じて日常生活や人生そのものに差し障りがおこるようであれば、それはもう依存症であり心の病気です。

 

DVドメスティックバイオレンスを受けていても別れられない場合なども、この嗜癖の作用によるものです。

 

この場合も専門家や周囲に助けを求めるなどして、早めの対処を心掛けることが大切です。

 

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まとめ

 

いろんな症状をみてもわかるとおり、依存症とはかかってしまうとそこから抜け出せなくなってしまうという苦しさがあります。

 

しかし、回復することは可能です。

 

それには病院での治療や、専門家や周囲などの力を借りることが必要です。

 

そして何よりその依存の行為を「止める」こと。そして「やめることを続けていく」ということ、それは「もうそこへは二度と戻らない」という自分の覚悟です。

 

そのためには自身がそこと向き合い、しっかりとした付き合い方が大切となります。

 

もし、止め続けることに失敗したときは、またそこからやめ続けることを再開することです。

 

そして正直に自分の気持ちを言える場所があることや孤立しないことも大切です。

 

依存症は誰でも陥る可能性のある病気です。なので決して恥ずかしいものではありません。

 

依存症は、まず欲求に溺れて自分の人生を破滅にまで追い込みます。なのでその苦しみから抜けるための勇気が必要となります。

 

そして不安や苦しい現実があっても現実逃避ばかりで過ごそうとせず、しっかりと現実と向き合うことが、大事な自分の人生の幸せにつながっていくことでしょう。

 

お読みくださりありがとうございました。以上marupoでした



お読みくださりありがとうございました

この記事を書いた人

 

はじめましてmarupoです今年50歳です

24歳で結婚しその後二人の子宝に恵まれたが、その育児の真っ最中に「うつ病」を患い同時に体も動かすことができなくなり入院。 そんな自分をどうしても受け入れられずに苦しんでいたが、その病院の本棚で「心理学の本」と出逢い、そこから心理学の学びがはじまる。 この学びを活かして、これまで20年ほどカウンセラーとして対面や電話などでいろんな方の悩みや相談に対応し、自らサロンを開いて数年間講座などもしていた経験をもつ。

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