自分は特別という誇大感をもつ自己愛性パーソナリティ障害

パーソナリティ障害

こんにちはmarupoです

 

自己愛性パーソナリティ障害とは、ありのままの自分を愛せなくなり、自分に対する誇大感をもつような状態をいいます。

 

その誇大感からくるものは「非現実的な優越感」であり、自分は他人より特別であるため当然優れていると考えています。

 

ただ、人は生きている上で自尊心は欠かせません。

 

しかし過剰なまでに自尊心が肥大化し、「他人よりも優れた自分」「特別で偉大な存在」という気持ちがあるとすれば、それは思い込みであり心の問題であるのです。

 



また、自己破壊行動をする「境界性パーソナティ障害」には若い女性が多いことに対して、この「自己愛性パーソナリティ障害」は若い男性に発症することが多いのです。

 

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境界性パーソナリティー障害の人間関係と恋愛

 

このような障害をもっている人の大きな特徴として、つねに傲慢な態度であったり、他人より自分が優れているといった優越性に浸り、相手を見下す態度をとったり、また権力などを求め続ける傾向があります。

 

一見高い自尊感情(自尊心)をもっている人と勘違いされるようですが、実はまったく違います。

 

その大きな違いは

自己愛的な人」➡ありのままの自分を認めず誇大評価し、周囲にすごい人間だと認めてもらいたいために、他人を価値下げしたり犠牲にして自分の心を守っている。

 

それに対して

自尊心の高い人は」➡ありのままの自分を認め尊重し受け入れることができ、他人からの評価ではなく自分がどう思うかで判断し生きている。

 

このように、自己愛性パーソナリティ障害は他人からの評価にとても敏感です。

 

それに加えプライドも高いため、挫折や失敗を認めることができなかったり、他人に批判的なことを言われたりすると強い怒りを表したりします。

 

また、人の評価に対して敏感であるため、自分の失敗などを批判されると傷ついてしまい、そのため引きこもりになることさえあります。

 

そのように自分のことに対しては敏感なのですが、他人に対しては気持ちや立場を理解しようとしないことも特徴です。

 

そして他人は利用するものと考え、共感や思いやりに欠けているため、人間関係もうまくいかなかったり、自身も生きづらさを抱えてしまいます。

 

そんな自己愛性パーソナリティ障害を発症してしまうのは、幼少期における自己愛の傷つきによることが原因です。

 

ではどんなことで傷ついてきたのか、その原因を見ていきましょう。

 



自己愛性パーソナリティ障害となる原因

 

この障害を発症する主な原因としては実際には知られていません。

 

しかし、アメリカの精神科医であるアーノルド・クーパーは、様々な研究から自己愛性パーソナリティ障害になってしまう研究を重ねその可能性をあげました。

 

それは「母親の過保護」「親からの溺愛」「愛情不足」など、親(養育者)が子どもを適切に扱わなかったということからきています。

 

 

自分が特別な人間だと思ってしまった原因は、もともと自身が過度に敏感な気質であり、その子に対する親や周囲の大人の言動によるものが可能性としてあります。

 

◦幼少期、良い行動には必要以上に褒められ、悪い行動には過度に批判された

 

◦親や家族からの過剰な甘やかしや過大評価があった

 

◦ほかの子どもより並外れて優れた容姿だったり、または才能に対する大人からの称賛を受けていた

 

◦幼少期に、親自身の自尊心を満足させるための手段として扱われたり、親が他人からの評価や体裁のために利用されていた

 

◦幼少期に親の期待が大きかったり、親の思った通りにならなかったときに否定されたなどの激しい心理的虐待があった

…など

 

このように幼少期の成長過程で、親による過度の甘やかしがあったり、心理的な虐待、親の体裁や自尊心を満たすために扱われてしまったなどの経験は、親の利己的な養育と偏った愛情、溺愛(過保護)と愛情不足というアンバランスな愛情を受けて育つこととなり、その子どもの心の奥にある自己愛が傷ついてしまう原因になるのです。

 

そして自己愛が傷ついたままでいると、その心の中には、本当の自分は人に受け入れられない欠陥があるという信念をもってしまいます。

 

しかし、この信念はその人の無意識下に保持されているため、本人でもそのことに気づくことはないのです。

 

しかしその歪んだ信念は、その人の劣等感やナルシストという独自性を用いて、他人を見る時に発生するのです。

 

そんな自己愛性パーソナリティ障害は、誰の心の中にあるかわかりません。

 

ここでいちどチェックしてみましょう。

 


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自己愛性パーソナリティ障害かもしれない度チェック

 

①自分を特別な存在だと思い、周囲もそう認めていると思う

 

②他人の気持ちを理解できない

 

③人から嫉妬されていると思う。また自分も他人を嫉妬することが多い

 

④自分は優れているという根拠のない自信があり、信じている

 

⑤人から特別扱いを受けたがる

 

⑥人から賞賛を受けることを好んだりとても喜ぶ

 

⑦自分の目的のために平気で他人を利用することができ、権力を握ったり利益を増やすことに罪悪感がない

 

⑧成功や権力、理想の愛、自己の魅力について空想する

 

⑨自分より劣っていると思う人たちに対して、高慢であったり傲慢な態度をとる

 

⑩多くの人間関係にトラブルがある

 

⑪人に拒否されたと感じやすい

 

⑫傷つきやすく、脆く崩れやすい自尊心を抱えている

 

⑬冷淡な人物にみられる

 

以上のうち5つ以上当てはまる場合は、自己愛性パーソナリティ障害の疑いがあるかもしれません。

 

もしこのような項目に当てはまり、しかも生きづらさや苦しみを抱えてしまうことがあれば、それは劣等感やナルシストというものから自分を苦しめていることが原因です。

 

ひどい場合は専門家などに相談するとよいでしょう。

 

 

まとめ

 

自己愛性パーソナリティ障害とは、ありのままの自分を愛せなくなり、自分に対する誇大感をもってしまう状態をいいます。

 

その誇大感が過剰なまでに自尊心が肥大化し、「他人よりも優れた自分」「特別で偉大な存在」という気持ちがあるとすれば、それは思い込みであり心の病(精神疾患)なのです。

 

原因は、幼少期の「母親の過保護」「親からの溺愛」「愛情不足」など、親(養育者)が子どもを適切に扱わなかったという自己愛の傷つきによることからきています。

 

その自己愛が傷ついたままでいると、心の中に「本当の自分は人に受け入れられない欠陥がある」という信念をもってしまいます。

 

その劣等感から本当の自分を心の奥に閉じ込めてしまい、人から賞賛される偽りの自分を本当の自分と信じ込み(または信じようとし)、自分より劣っている人に対して優越感を誇示するのです。

 

なぜなら、その幼少期に受けた経験からくる強烈な「劣等感」そして「そのままの自分では決して愛されない」という気持ちを、そうすることで心を防衛しているのです。

 

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防衛機制という人の心の安全装置

 

しかしどんなに無意識の奥に閉じ込めたつもりでも、心の傷というものは形を変えてその人の表面にじわじわと現われてきます。

 

そしてその傷を自身が気づいてくれるよう、無意識の世界にいる自分が障害やなにかしらの形に変えて仕向けるのです。

 

なのでこれは「実は自分は傷ついてたんだ」と、自身が気づくことに大きな意味があるのです。

 

それはありのままの自分を受け入れて生きていくためには欠かせない「真の自尊心を育てるため」でもあり、なにより心の奥にいる「本当の自分の存在の声」でもあるのでしょう。

 

お読みくださりありがとうございました以上marupoでした



お読みくださりありがとうございました

この記事を書いた人

 

はじめましてmarupoです今年50歳です

24歳で結婚しその後二人の子宝に恵まれたが、その育児の真っ最中に「うつ病」を患い同時に体も動かすことができなくなり入院。 そんな自分をどうしても受け入れられずに苦しんでいたが、その病院の本棚で「心理学の本」と出逢い、そこから心理学の学びがはじまる。 この学びを活かして、これまで20年ほどカウンセラーとして対面や電話などでいろんな方の悩みや相談に対応し、自らサロンを開いて数年間講座などもしていた経験をもつ。

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